future

今後の取り組み

一般社団法人美容未来研究会では、美容業界が今直面している諸問題について次のように取り組んでいきます。

管理美容師制度及び指定講習内容の見直し、活用への改正要望

「管理美容師制度及び指定講習内容の見直し、活用へ改正」

□管理美容師制度が過去数回の規制緩和により講習聴講のみで安易(短時間、 無試験)に資格が取得できる。
発足当時「48時間受講」→「H.15 27時間受講」
→「H.21 3日間18時間受講」

A) 1人サロンは管理美容師資格が必要ない。
→従業者数でなく、美容経営に必要な資格とし全ての美容室経営は管理美容師により経営管理されるという方向が理解され易く望ましい。
B) 現在、美容サロンの経営形態が変化してきており、店舗を持たず既存の美容サロンのブース(鏡面1面)を面貸しというシステムで借り1人(フリーランス)美容師が事業者として活動している。また、美容ブースを提供しているオーナー(家主)の管理美容師資格者の管理状況も不鮮明な状況であると考えます。
 
C) 管理美容師講習は現在、美容師資格取得後、3年間の勤務経験にて受講資格が得られる。⇒5年に延長する。
→資格取得後3年間程度の経験では美容室経営に対する意識や理解が足りず、管理美容師制度の本来の目的にそぐわない。

◎対応策(改善、改正案)として

A) 現在、公衆衛生に特化している講習内容をサロン経営者・管理者としての必要な知識(労務管理・税金・マネージメントコンプライアンス等の今後必要不可欠なカリキュラムを新設。

→従来の管理美容師制度の指定講習内容には美容室経営に関するカリキュラムはなきに等しく、又美容学校においても経営について学ぶことはほとんど無い。今まで美容室開設する美容師は経営管理に関する具体的な知識や訓練無しに開設経営していたが、現在の過当競争の状況化では美容室の経営維持そのものが困難になっている。

B) 講習受講後に管理美容師資格の試験制度を新設。実施することにより質の高い美容サロン経営者の育成を図る。
C) 現在、管理美容師の資格を有すると生涯に渡り資格確保できるが今後 、労務の法改正、税制度の変更、コンプライアンスの変革、情報環境の変化や訪問美容等の改正等、時代の変化に対応する為の5年に1度の更新制度を新設する。→制度開始から50年余り経過し、美容業界内外共に大きく変貌し又、消費意識や情報環境は全く様代わりしている、制度そのものの改正も重要であるが、それ以上に時代に対応可能な管理美容師資格者への再教育、追加教育の必要性が高まっている事に重視しなければならない。
D) 公衆衛生、美容技術が基本の美容室経営において、1人サロンも管理美容師資格を必修とし。美容室開設条件となるのが望ましい。

→美容室最多数の現在、鏡面貸し・フリーランス、マンションサロンが増加してきており公衆衛生が軽んじられる傾向が顕著に見られる。安易な出店や開店の増加による短期間(3年以内)での営業破綻による閉店や自己破産も増加傾向にある

美容学校生の美容サロン就労条件に関する改正要望

「美容学校生インターンシップ改正要望について」(美容学校生の美容サロン就労条件に関する改正要望)

◎美容業界は継続的な人材不足の状況です。生産性が上がらない事により実質賃金も上がりにくく、いわゆるライフワークバランスの悪い職種と言わざるを得ません。結果として離職率も低下していません。

A) 現在、美容室において美容師資格者(美容学校卒業後の検定を経る)しか顧客の施術(如何なる補助及び助手作業)が出来ないことになっています。美容学校生(無資格者)ですら美容サロンでのアルバイト等における補助及び助手作業はは法的に制限されている。
→美容学校生徒であっても補助的な作業や技術助手も一切できないのが現在の状況です。根本的且つ継続的な人材不足の改善の為にも美容学校生徒の技術習得への理解を深める為にも、制度の見直し改善を要すると考えられます。
B) 美容学校生の卒業後の就労状況における問題点
現在、学校卒業から3年以内の美容師リタイアが50%以上に登る状況が続いています。美容学校在学中より美容サロンでの補助作業や技術助手等による就労が可能になる事で「夢と現実」の差によるカルチャーショックの軽減、現場感覚の育成慣れの醸成を図り美容業務全般への理解を深めることで早期美容師離職を減らす効果を図ると共にアルバイト賃金による美容学校学生生活向上への支えとなります。美容学校の入学金授業料の高額化により奨学金(教育ローン)利用者が50%近く利用している。

◎美容業界の抱える大きな問題として離職率の高さが挙げられますが、この現象を防ぐことがインターシップの最大のメリットと言っても過言ではありません。美容学校での美容師像と一般サロンで働く美容師像の大きな違いが離職を招いています。現実のサロンでの1日の流れや業務内容、また学生自身が持っているイメージとギャップについて理解する良い期間となります。

A)インターンシップ先で現在可能な業務
  受付業務、清掃業務、接客サポート(接待、お茶出し等)、その他補助業務(非技術)、サロン講習会への参加
→アシスタント業務(補助的な美容技術)や美容接客(カウンセリング、スタイル提案、メニュー説明)を加える。
B)インターンシップのメリット
  実際のサロンの業務体験ができる、プロの技術を身近に学ぶ、講習に参加できる、接客について学べる、就職に結びつく、給与がもらえる
→美容学校生の美容サロンでのインターシップ改正により、適切なバイト賃金を得られるようになると美容学校就学や学生生活を順調に送れる状況に整える事ができ美容師を目指す学生を増やし、ひいては美容サロンスタッフ供給の安定に繋がって行くと考えられます。

介護美容師の認定及び将来的に介護美容師資格の創設

「介護美容師の認定及び将来的には介護美容師資格の創設」

世界一の高齢化社会と言われている国内現状と今後を考えますと国内の美容消費者構造も高齢化の波が押し寄せています。美容対象人口の増加を確保し高齢化社会に美容師として対応するた めには、サロンに行きたいけれど行くことを遠慮していたお客様、補助や介護が必要な事がヘア スタイルやサービスを楽しむ事に躊躇していたお客様への積極的な対応が求められています。 どのようなハンディキャ ップや困難な条件をお持ちのお客様に安心してご来店いただき快適 に美容サービスやヘアスタイルを楽しんでいただける介護美容師の育成制度化や認定、資格等、早急に整備し充分な対策が必要です。

介護美容方向性を中長期で考えると訪問型介護美容の必要性が高まります。今の団塊の世代が80才を超える状況になると施設滞在型 の介護は到底対応しきれません。在宅介護が中心となり、訪問による美容サービスが大きなニーズとなり訪問型介護美容サ ー ビスの確立が必要です。そのためには介護美容機器開発を含めた早急な介護美容師制度の整備が望まれます。